超大作『逃亡』 帚木蓬生
2015年 07月 03日
「逃亡」
読みきりました。
折しも国会で集団的自衛権が論じられている現在。
この法案に反対する私は、なおのこと、
この本を読んでその思いを更に強くした。
時は先の戦争。
第二次世界大戦。
辣腕憲兵の主人公が
終戦と同時に戦犯として処刑されるであろう
運命に抗い、隊から逃亡。
名前を変え、息を潜めて逃げ続ける、壮絶な苦難の日々と、
捕らえられて収監された巣鴨プリズンでの
明日をもしれぬ命と死におののきながらの日々は
作家帚木蓬生氏の父親がモデルという
現実味を帯びた筆運びに
感動の連続だった。
たった一枚の赤紙で戦争に行かされた
膨大な数の人間と
その家族の人生を大きく変えて苦しみ死んでいった人々。
過酷な運命を強いられた国民に
あの頃の日本は誰も責任を取らなかった。
いつものことながら感動する本は
読み終えるのがもったいないと思う気持ちが
どうしょうもなく働いて
超大作の醍醐味を味わったのでした。
by whitelacenonyo | 2015-07-03 22:17 | 本を読む | Comments(6)
ヨーロッパも、今だにナチス関係の戦争時の話の映画や本が沢山出るのですが、、、やはり人間って戦争を止められない、んですよね、、、、。
下の有名人遭遇、沢山出会っていますね。私も結構見かけていますが、パリでは映画監督や政治家が多いです。
プライベートでの所作や他人に対しての行動を見ると、本物の大物かどうか、、分かりますよね。
読み応えのある本でした。
超大作で、分厚い本ですが、夜遅くまで読んで睡眠不足気味になったほど。
パリで多くの有名人と遭遇するってうらやましいわぁ〜〜
そういえば、山田洋次監督、曽野綾子氏とは玉川高島屋の駐車場で遭遇しましたことを
思い出しました。
>プライベートでの所作や他人に対しての行動を見ると本物の大物かどうか、、
そう、そう、そうですね!
まぁ!偶然ですね。
作家というのはすごいと思ったのは、
超大作ではあっても、ほんの数行を読んでハラハラと涙がこぼれ落ちる感動させる表現に
泣きながら驚いた、、という変な私です。
帚木蓬生、良い作家ですね。
お父様がモデルだったとの事ですが、身内としての感情を押しのけて作家としての冷静な目で見つめ文字にする...大変な苦しみだったのではないでしょうか?そんな自己の内面をも見つめる事ができるのは、やはり精神科医としての力もある作家だからなのでは、とふと思ったりしました。
私も是非読んでみたいと思っております。
はい、かなり分厚い大作です。
それでも嫌にならず読めるので、読める時間が楽しみでなりませんでした。
帚木蓬生は精神科医で、賭博依存症の治療にも携わっているそうですね。
折しも戦争をしたがる今の首相にこの本を読ませたいと思いましたが、
あの人はこういう本は理解出来ないひとなのだろう、と思います。